広島の街の花壇はなぜあんなにダサいのか【エッセイ】

私は兵庫県神戸市から広島市に移り住んで17年、これからも広島で商売をさせてもらいお世話になっていくので、あえて自分の住む場所をよくしたいという意味で言わせてもらう。

広島はなぜこんなにお花が少ないのか。
街中に出かけたり、商業施設に出かけていつも思う。

なんでこんなに地味やねん!と怒りの気持ちさえ覚える。
世界から観光客が来るのに、もう少しおもてなしの気持ちがあってもいいんちゃうかなあと。
もっと街中におしゃれスペースがあって、ワクワクしたり感動してみたい。

神戸は街も人も華やかだ。華やかな都市と広島を比べてもしょうがないところだが、住んでる場所なだけに本当に残念でしょうがない。

今日は8月6日で広島は特別な日だ。
ちょうど慰霊式の行われている会場の前を通ったので、植栽を見てみると、青と白のサルビアが植えてあるだけの花壇だった。

えーめっちゃ地味やん!と思った。
原爆資料館などもあるし、華やかにしてはいけないというルールがあるならしょうがない。

でも私個人の考えとしては、あの歴史的な悲惨な出来事があったからこそ今こうして我々は幸せに暮らせているので、
そんな感謝の気持ちや平和を願う気持ちを込めて、素敵な花壇にしてもいいのではないかと思う。

今世界では戦争が起きており、核爆弾が使われる危機にもある。
だからこそ広島の華やかな花壇から、平和の願いを発信していただきたかったと思う。
今日も街中の植栽を見て、自分が不甲斐ない気持ちになった。

あの広島のシンボルの的な大通り、「平和大通り」横の植え込みも本当にどうにかならないものか。
私は仕事で「ダサいお庭」の例えとして「平和大通りの植栽」と形容することがある。
なんの芸もない季節の一年草を植えているだけの全くワクワクしない単純な花壇だ。

観光に来た人々にもっと感動していただきたいのだが・・・
本当に一市民としても残念だ。

私に任せてくれたら、宿根草とおしゃれな低木を交えた植栽で、おしゃれな大通りに変えれるのに。
まあ広島市がやる気にならなければ、そんな依頼も来ないのだが(笑)

そしてもう一つ、広島にお花文化が定着しない原因に園芸専門店が少ないことがある。

広島は苗を買う場所はホームセンターが主だ。そこには気の利いたおしゃれな植物は皆無だ。
どこも同じような植物しかない。
そして専門知識のあるスタッフも少ない。

広島市内に園芸専門店は数店あるが、いらっしゃいませも言わないお山の大将なお店が多い。
客をナメてんのかと行く気が失せる。
でもそこしか植物が揃わないので行くしかしょうがない。
ガーデニングを始めたい若い方も愛想の悪いお店だと、アドバイスも求めにくいし、本当に困っているのではないかと思う。

こんな園芸店飢餓な状態ではお花文化が広まるはずはない。
住宅街を通ってもお花で賑やかに飾っているお宅も少ない。

これは花屋側の私たちの責任でもある。
花屋がお客さんの求めているものを勉強せずに昔ながらのやり方を変えないのが悪いのだ。
昭和の花屋が多過ぎる。

広島にお花が増えるよう、植物に興味を持ってもらえる活動をいち早く進めたいと思っている。
これがガーデニング人口が減っている現在の花屋の仕事、使命ではないだろうか。

広島市にある花壇、植栽全部私に任せてほしい。
私の作った花壇を見て花の仕事に興味を持ってもらえたり、ガーデニングをやりたいと思ってもらえたら、こんな嬉しいことはない。