趣味の庭づくりと仕事の庭づくりは違います

今、広島県三次市にあるビハーラ花の里病院様でセラピーガーデンの施工をさせていただいております。月に4回ほど訪問し、来年に向けてセラピーガーデンの完成を目指します。

こちらのお庭の様子など、日々のインスタグラムに投稿していますので、よろしければご覧ください。
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https://www.instagram.com/hanatrip1187/

ガーデンセラピーをお仕事に取り入れる場合は、庭づくりから始める場合が多いと思いますが、そこで気をつけないといけないことは、あなたの好きな植物を自由に植えてはいけないというところです。

自宅などの庭づくりは、自分の好きな植物、デザインで好きなように作れますが、仕事としてセラピーガーデンを作る場合は、そうはいきません。

クライアントさんの要望をしっかり聞いて、それに合わせた植物で庭を作っていく必要があります。

例えば、病院でセラピーガーデンを作るのでしたら、誰を対象にした庭なのかしっかり把握して計画を立てます。

誰を対象とするお庭づくり?

病院のお庭の対象者も以下の通りいろいろです。
下記の方々を念頭にお庭づくりを考えることが大切です。

①患者さん(患者さんも病院の何科によっても年代、病状も様々です)
②患者さんのご家族さま
③スタッフ
④来客者

①患者さん

まず、患者さんに出てきていただくお庭づくりで気をつけるべき点は、患者さんの病状に気をつけ、転倒や怪我などに最善の注意を払うというところです。

芳香のきつい植物は避ける、毒性のあるもの、触るとかぶれるもの、足元にごちゃごちゃものを置かない、トゲのあるものや枝が通路まで伸びでくるような生育旺盛のものを避けるなど、他にもたくさんの気をつけるべき点があります。

②患者さんのご家族さま

患者さんのご家族さまにも楽しんでいただく庭づくりでしたら、患者さんと一緒に庭に出て面会の時間を楽しまれることもありますので、上記の注意点プラス、いつ庭に出ても何かお花が咲いているといったような植栽計画、デザインにしなければなりません。

来院の際もいつもお庭がきれいに管理されていると、細かい部分にも目が行き届く病院だなと、ご家族さんは安心されると思います。

③病院スタッフ

スタッフさんが活用される場合も多々あります。お庭で咲いたお花を摘み、ナースステーションなどに飾られたり、植物を活用していただけるような植栽にします。

その場合も花瓶に挿しやすい、切花にできそうな植物を剪定します。あとはできるだけ虫のつきにくい、花がらもポロポロ落ちないものが好ましいです。
あとは、休憩時間や、庭の横の通路を通られたときにお花を見ていただけたり、わたしたちが作業しているところを見て楽しんでいただいたり、ひとときの癒しに繋がるような仕掛けもします。

患者さんが楽しむ庭と場所を分ける方が望ましいですね。

④来客者さま

④来客者さまには、いつもきれいに管理しているお庭というところを見ていただきましょう。

お花が季節ごとに常に咲いていて、そこにいつも人がいて賑わっているという状況が見られると、病院がとても活気付いて、この病院にお世話になったらなんかすぐ元気になれそうといった印象を持ちませんか?

誰も暗い活気のない病院に好んで入りたいと思いません。こういった活気のある庭を作ることで、外部の方にも好印象を持っていただけます。


そういった病院の印象を上げるなど、運営に関わるところまで私たちはお手伝いができます。

といったようにお仕事でセラピーガーデンをつくる場合は多角的な知識が必要で、頭の中で未来のお庭や、対象者の楽しむ姿を想定して植物やデザインを決めて行かなければなりません。

「人と植物」を繋ぐお庭って、人生経験も全部関連してきて本当に奥が深いです。

今まで自分の趣味でお庭を楽しんでいた方もこのような対象者さんのためのお庭づくりを学んでまたあなたの知識に深みを増してみませんか?