医療、介護の現場で注目されている植物の力

今日は、オンラインによるガーデンセラピーアドバイザーの説明会をさせていただきました。
お越しいただいたのは医療関係のお仕事に就かれている方で、植物の力で患者さんはもちろん、そのご家族さんの心のケアもできたらと、ガーデンセラピーに興味を持たれたそうです。お仕事としてガーデンセラピーを取り入れていただけるのは、私としましても大変お伝えし甲斐のあることです。興味を持っていただけて大変嬉しく思いました。

医療の現場では「統合医療」の考え方が広まっています

近年になり、欧米を中心に近代西洋医学と代替療法のいずれをも視野に入れた患者中心の医療を実現していこうという「統合医療」の考え方や取り組みが広まってきました。

近代西洋医学とは・・・現在はほとんどの先進国で主流となっており、体の悪い部分に直接アピールし、投薬や手術といった方法で原因を取り除いて治療していく医学です。化学の発達とともに進化し、現在では最先端の医療機器を用いた診察や医療ができるようになっています。

統合医療とは・・・健康や予防を考えた新しい医療の在り方で、化学的な近代西洋医学に伝統医学や民間療法、代替療法などを融合させながら患者中心の療法を確立させたものです。

そして代替療法については以下のように分類をしています。

・天然物（Natural Products）
ハーブ、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクスなど

・心身療法（Mind and Body Practices）
ヨガ、カイロプラクティック、整骨療法、瞑想、マッサージ療法、鍼灸、リラクゼーション、太極拳、気功、
ヒーリングタッチ、催眠療法、運動療法など

・その他の補完療法（Other Complementary Health Approaches)
心霊治療家、アーユルヴェーダ医学、伝統的中国医学、ホメオパシー、自然療法など
（国立補完統合衛生センターより引用）

私は医療に従事していないので統合医療の良し悪しはわかりませんが、２０１１年の東日本大震災以降の統合医療の広まりを踏まえ、２０１６年には厚生労働省医政局に「統合医療企画調整室」が開設されたということもあり、政府が動き出し、医療従事者の方や一般市民への統合医療への理解は急速に進んでいるようです。

それを裏付けるように、近年は統合医療を取り入れた病院もたくさんできてきたように思います。
厚生労働省も正式に統合医療の普及に取り組んでいるという背景もあるのだと思いますが、今、看護師さんや、医療関係者の方、介護福祉士、作業療法士などの介護業界の方が園芸療法やガーデンセラピーを学んで、今の仕事に役立てたいと希望される方が増えています。メディカルハーブ、メディカルアロマの教室に通う医療従事者の方もとても多いそうです。

当スクールのお問い合わせも増えてきています。それほど医療、介護の現場で病気を予防したり自然治癒力や免疫を高めるのに植物の力が有効であるということが周知されてきたのだと思います。日本では阪神大震災以降に園芸療法が広まっていきました。まさに３０年近く経とうとしています。

統合医療とガーデンセラピー

医学の中では病気になったら治すという「治療医学」と病気にならないように予防する「予防医学」があります。
先ほど述べた統合医療では患者一人ひとりに合わせた治療とケア（予防）をしていこうというものでした。

既に一部の医療や介護の現場では統合医療が取り入れられています。
人が本来持っているバランスの良い状態にしたり、自然治癒力を高めるために東洋医学や自然療法を活用しています。

その自然療法の一つが園芸療法や、ガーデンセラピーであり、より生活に近い、実用性、現実性のあるものとして取り入れやすいケアなのではないでしょうか。

「治療」から「予防」へ

医療現場でも是非園芸療法を取り入れ、患者さんのケアに役立てていただければ嬉しく思います。

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