私は今、広島県三次市にあるビハーラ花の里病院で、病院内の数カ所の中庭を癒しのお庭に生まれ変わらせる、セラピーガーデン施工のお仕事をさせていただいています。
広大な敷地の中にあるこちらの病院は、敷地内にたくさんの花壇や中庭があります。
中でもぐるり病棟に囲まれた病院の中央にある一番大きな中庭はとても大きなお庭で、中央に大きなシンボルツリーが植わっており、芝生もひかれ、周りにはお散歩できるようぐるり舗装がしてあり、その外周に花壇があります。
とても大きなお庭で、しっかり水やりをすると2時間くらいかかりそうなお庭です。
こちらが中庭です。(施工前です)
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敷地内にたくさんのお庭があることから、病院創始者様の患者さんやご家族さんを植物で癒してさし上げたいという想いがとても伝わってきて、植物のお仕事をしている者としてはグッと胸が熱くなる思いです。
目次
クライアントさんの想いもいろいろです
ビハーラ花の里病院様のご依頼内容としては以下のような内容です。
- 創始者様の意志を受け継いで病院内のお庭をいつもお花が途切れない、患者さん、スタッフさんの癒しとなるようなお庭
- スタッフさんが積極的にお庭に出たくなるような場所にしたい
- ご家族さんや来院者の方に和んでいただけるお庭
- スタッフさんにできたお花を活用してほしい。
- できれば果樹園なども作りたい
- イングリッシュガーデンのようなナチュラルでおしゃれな庭にしたい
- あまり手がかからないローメンテナンスな庭にしてほしい
といったご要望で、本当にこちらがワクワクするようなご依頼でした。。
でも闇雲に植物を植えていけばいいのではありません。
ここは「病院にセラピーガーデンを作る」という一般のお宅の植栽とは違い、クライアントさんは「病院」なのだというところをしっかり考えながら植物の選別、デザインを考えます。
病院のお庭づくりで気をつけるべき点
各家庭のお庭は、隣近所に御迷惑にならなければ、何を植えても自由なところがあります。でも病院にセラピーガーデンを作るとなると、クライアントさんのご要望、お庭に出て来られる方がどんな方か(対象者)ということを考えて植物の選別、デザインを考えなければなりません。
各家庭のお庭とは違う、病院のセラピーガーデンを作る上で気をつけるべき点は以下のようなことです。
- トゲや毒性のないものにする(認知症の方などが口にしないよう)
- 植栽を建物に近づけすぎない(ジメジメし、虫やなめくじなどが発生する)
- 地下茎で殖える植物は避ける(管理できるのなら良い)
- 香りの独特なもの、強すぎるものは避ける(患者さんの体調に配慮する)
- 毛虫の来やすい落葉樹は避ける
- なるべく活用できる植物を選ぶ(切花用、ハーブ、クラフトの材料になるもの)
- ローメンテナンスの植物を選ぶ(バラなどの剪定、誘引、殺虫消毒のいるものは大変)
- 患者さんが転倒しないよう通路は障害物のないように気をつける
- 年中、何かしらのお花が咲いているような植栽にする
ざっと挙げてもこのくらいは気にかけて施工しないといけません。
中でも一番大事な「気をつけるべき点は?」
たくさんの気をつけるべき点があるのですが、中でもクライアントさんのご要望で一番多いご要望が「メンテナンスが少なくて済む庭」です。
これは100%言われます。
ということはどういうことかというと、メンテナンスにかける人手や時間がないということです。
こちらのビハーラさんもお庭を担当してくださっているスタッフさんがいらっしゃるのですが、いろんな病院内のお仕事を兼務されているので、このたくさんのお庭につきっきりにはなれません。ご本人が一番もどかしいと思います。
お庭はおしゃれでいつも花が咲いている素敵なお庭にしたいけど、手がかかる庭はちょっと・・・というところがクライアントさんの本音でもあります。
ですので、植物なので、全く手がかからない庭というのは不可能ですが、植物の選定やデザインでなるべくローメンテナンスの庭にできるよう作業していきましょう。
セラピーガーデン作成は、植物を知っているというレベルではなかなかできません。クライアントが病院や介護施設などでしたら、できれば医療や介護の知識があれば強いです。
そのあたりも介護施設で園芸療法を実践していた園芸療法士の私がレクチャーしていきますので一緒に学んでいきましょう。
奥の深いセラピーガーデンをかっこよく作れるようになりませんか?(^^)
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