さて、今日は、先日出会ってしまった大きな勘違いをされている園芸福祉大先生の話をしたいと思います。
これは園芸療法のイメージにも関わることですし、素敵な園芸療法、園芸福祉をされている方にも影響しますので、私が代表でブログで書きたいと思います。
今からお伝えすることは、園芸療法コーディネーター養成コースの生徒さんにも大事なこととしてお伝えしていることです。
その大勘違いというのは、先に申し上げると、園芸活動中に「指導」をしにかかるということです。
園芸療法は、何らかのしんどい気持ちを持っておられる方や、癒されたいと感じておられる方を植物活動をすることにより、少しでも今の状態から心身ともにリフレッシュしていただくことが目的です。
園芸福祉は、仲間をつくり、植物と接して幸せになろうという、コミュニケーションを図ることを目的としたものです。
どちらにせよ、私たちの役目は、その「援助」をすることなのです。言い換えれば、「縁の下の力持ち」みたいな感じです。
現場では、その対象者の方がより楽しんでいただけるよう、その場の準備、整備、危険なく安全にプログラムを進めるお膳立てが主な仕事です。
目次
植物に詳しいから良い援助ができるということではない
詳しくは書けませんが、先日ある場所で、園芸福祉を勘違いされている園芸福祉士さんがいらっしゃいました。
私は自分の身分を隠して、その場に潜入したのですが、その園芸福祉士さんの言動、態度にかなり違和感というか、怒りさえ覚えました。
その方の人格を否定するつもりはないことはお伝えしておきます。(人格知らないですし)
仕事として請け負っているならそこはプロとしてやってほしいと思うだけです。
何があったかというと、この日は園芸福祉の講座があり、高齢者向けの花壇を作るという講義でのことです。
この高齢者用の花壇の植栽を考えるというテーマでグループで意見を出し合い考えました(私は一歩引いて初めて学ぶ方に主に考えていただきました)
そしてみんなで意見を出し合って考えている段階で、その園芸福祉士の人が割って入ってくるのです。
私たちと一緒に考えるというスタンスならありがたいのですが、その段階で全否定され、自分の考えを押し付けてきます。
私は、この考える時間が一番必要だと思っているので、その時点で「なんだこの人は」と思ってしまいます。
ですがでしゃばってはいけないのでグッと堪えて、その場を進めます。
その後、なんとか皆で出し合ったアイディアをもとに、実際に花壇へ行って植栽をすることになりました。
そうするとまた!
皆で一生懸命決めた植栽プランを、植える前から全否定され(私からするとその方のしょーもないこだわりとしか思えませんでしたが)、ビオラはここに植えて!この色はここ!それは違う!など、強い口調で言ってこられ、皆さん萎縮しておられました。この人の言うことを聞いておけばいいのね、みたいな諦めムードもありました。結局全部その方の思いで植栽が出来上がりました。(特段すごいものではなかったですが)
そして仕上がりを見て写真撮りまくりで、協会の実績としてまた語っていくのでしょう。本当に自己満の実践者が多いんです。
学びにきている参加者さんもポカーンでした。そして皆さん不満を言っておられました。
そりゃそうです。初めて園芸福祉に触れますし、学びたいと思って来られているわけですから、花壇に植栽できるのって楽しみですよね。
花壇が出来上がった後も、自分がお手伝いしたという達成感も期待されていたことでしょう。
自分たちが実際に園芸福祉の庭づくりを体感できることで、新たな学び、良かった点や改善点なども気づく機会があったわけです。
ですが、この園芸福祉士は自ら園芸福祉をぶっ潰したと言えます。皆さんの体感から来る学びを奪い取ったことになります。
自らが行動して体験して得た知識・経験こそが深い学びとなるのです。
このことをわかっていないのでしょうか。非常に残念でなりませんでしたし、この業界がなんの進歩もしてないんだなとがっかりいたしました。
この方はきっと知識を得たことで、自分が先生になったと勘違いされたのでしょう。先生は「指導」する人です。
もちろん園芸療法、園芸福祉の場では、植物のことや育て方、活用の仕方、さまざまなことを教えるという場面もあります。
ですが、「教え方」が相手にとって良いものになるか、ダメなものになるか変わってくるのです。
こちらの意図も聞かず、頭から否定は良くありません。というかダメです。
私たちが意識しないといけないのは、目の前の対象者の方が楽しい気分になり、ここに来て良かった!とお帰りいただくことです。(一般のサービス業と同じです)
なので「教えてあげる」ではなく、「教えて差し上げる」なのです。
この意識の差が、言葉や表情にも出ます。そこで対象者の方に違和感を覚えられ、「二度と行かない」に繋がります。
この園芸福祉士も一切笑顔はなかったですから、「教えてあげる」の気持ちでいっぱいだったのでしょう。怒られているようで怖かったです。
このような「大先生」にならないよう、園芸療法、園芸福祉をする方は肝に銘じてください。
園芸療法コーディネーターに必要な資質
これも講座内でお伝えすることですが、園芸療法をする側に必要な資質というものがあります。
資質は持って生まれたものでもありますから、今その資質が自分にはないなと思っても、普段から意識することで身につけることができます。
それは、サービス精神、常に笑顔、人の話を聞けるか、共感力、許容力、臨機応変力、謙虚、思いやり、気が利く、人に喜んでもらうことが好き、アイディアマン、人生経験豊富、などです。
これを見て何か気づきませんか?
植物の知識なんて一つもありませんよね(笑)
私はたくさんの同業者を見てきて、これらのことが植物の知識よりいかに大事かがわかっています。
園芸療法士、園芸福祉士は人間力が全てです。
要は、人に好かれる人間性(人間味)がなければ、満足度の高い園芸療法はできないのです。
植物の知識をたくさん得ないとと思っている方も多いですが、最初は、プランターに花や野菜を植えたことがある、その程度で大丈夫です。知識は後から体験を通してついてきます。
園芸療法に何が大事かわかりますか?
それは「心」です。実践者、対象者お互いにです。
心が開き合わないと良い園芸療法には辿り着きません。満足度も得られません。人は心が満たされた時に満足と感じるのです、
植物の知識、エビデンス・・・そんなことより「人を楽しませる」という意識を持ってください。そして「行動」に移す。そして目の前の対象者さんとじっくりお話をしてみてください。
そこから自分に足りない資質も見つかってきます。そこに気づけ、またステップアップができます。
園芸療法をサービス業として捉えると良い援助ができる
私は「園芸療法はサービス業」と言っている日本でただ一人の園芸療法士です。園芸療法学会にも所属しない(したくないが正しい)まさに異端児です。
ですが、園芸療法は生きにくい不安の多い現代社会の問題に切り込んでいけるものと確信しています。
そして高齢化社会、全世代のストレスの緩和、農業、環境問題など多くの社会的ニーズにも貢献することができるでしょう。
当スクールは、従来のリハビリとしての園芸療法から、これからの未来に植物を通じてさまざまな形で関われる園芸療法を確立し、園芸療法サービスを広げていきたいと思っています。
リハビリとして高齢者施設や病院で園芸療法を行いたい方は、従来の園芸療法の学校に行かれた方がいいと思います。
私の講座は、病気にならない体づくりや健康維持に園芸療法を用い、より良い人生を過ごしていただくことを目的としています。
そこには、女性がいつまでも自分の仕事をして、役割を持っていきいきと生きていくという目的もあります。
今、悩みが多くて大変な時期を過ごしておられる方も多いと思います。
私もそうです。
だからこそ人の気持ちがわかるようになりますし、先述の園芸療法を行うものとしての資質も備わってきます。
あなたしかできない素敵な「援助」ができるように、今日一日の気づきを大切に進んでいきましょう!
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