ストレス関連病にもメディカルハーブを

当スクールのガーデンセラピスト養成講座の中では「ストレス」についての授業があります。
ガーデンセラピーを行うにあたり、対象者さんは何らかのストレスを受けて植物の力を得たいと考えられているので、ガーデンセラピストは「ストレス」の仕組みについて学んでおく必要があります。

そしてストレスを抱えている対象者さんがこれ以上ストレスに対する適応力が下がらないよう、生活に植物を取り入れ、癒しを得れるような方法を対策としてお伝えすることが仕事です。

ストレス社会の現代で、ストレスを溜めない為にはどうしたらよいか悩むところではありますが、今日はストレスについてと、ストレスに有効なメディカルハーブをご紹介します。

ストレスとは

「ストレス」という言葉はもともと物理工学から来ており、物理工学では、ボールに圧力をかけて押した際にボールがゆがみながら変化して適応することを指します。

カナダ人の生理学者ハンス・セリエが実験を重ねて、外部から受ける刺激に対して生体がストレス反応をするという、ストレス学説を唱えました。

そして外部環境からの刺激によって内部環境におこる一連の変化を「ストレス(ストレス反応、ストレス状態)」、ストレスを引き起こす外部環境を「ストレッサー(ストレス要因)」、そしてストレッサーに対しての生体の適応努力を「適応力」としました。

わかりやすく会社で例えると、パワハラを仕掛けてくる上司を「ストレッサー」、それに対しての腹痛や頭痛などの体の反応を「ストレス、ストレス反応」、それにに打ち勝とうと、ストレス発散をするなどの私たちの努力を「適応力」ということができます。

人間は適度なストレスがある方が向上心を刺激し成長できたりもします。「ストレスは人生のスパイスである」と言っている生理学者もいます。

でもストレスが過剰であれば身体への負担になり、心理面や行動面、身体面に症状が現れてストレス関連病をもたらします。

3つのストレス関連病

①不眠

悩み、ストレスがあると、多くの人は不眠になります。不眠には以下の種類があります。

●入眠障害・・・寝つきが悪い不眠で、神経質(症)傾向の人に見られやすいタイプです。

●中途覚醒・・・夜中に目が覚めてしまうタイプです。

●早期覚醒・・・朝早く目覚めてしまう不眠で、うつ傾向の人に見られやすいタイプです。

●熟眠障害・・・眠りが浅いタイプの不眠です。

②心身症

ストレスがかかったときに「身体」に現れた状態や病気を指します。
心身症はストレス性胃炎、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、緊張性頭痛、過換気症候群(過呼吸症候群)、自律神経失調症など、全身に起こりうるものです。
うつ病や神経症などによって現れる身体の症状は含みません。
ストレスがあると脳の視床下部で自律神経や内分泌系に影響が及ぶようになるため、身体の不調や症状に繋がります。

③うつ(うつ状態、うつ病)

ストレスが強かったり長引いたりすると、ストレス状態や睡眠障害(不眠や過眠)だけではなく、抑うつになっていくことがあります。うつには3つの中心的な症状があります。

◆気分が落ち込む・・抑うつ、憂うつ状態

◆行動・意欲が低下する・・外出したくない、人と会いたくないなど

◆生理現象の機能が低下する・・・食欲低下、頭重、肩こりなど

このようなストレスによる関連病があります。
一度、心身がこのような状態に陥ると本当に辛く、もっとメンタル的にも悪くなっていき、衝動的な最悪の事態にもなりかねません。

私も子どもが小さかった時に、故郷を離れて一人で育児をしているストレスから、子どもに衝動的に行った行動には今でも懺悔の気持ちでいっぱいです。

取り返しがつかなくなる前に、少しでもストレッサー(ストレスの要因)となるものを取り除くか、適応力を高めることが大事だと思います。

ストレスを溜めないライフスタイルの見直し

ストレッサーが多すぎる場合には、ストレッサーからの解放を図り、生活の工夫として食事、運動、休養を改善しましょう。

またガーデンセラピーをライフスタイルに取り入れることによって、植物の有効成分による直接的な効果だけでなく、植物や自然への意識が向くことで人生観の変化やエコロジー意識の向上など、ライフスタイルの改善にも繋がります。

ストレス状態からの回復を促進するために、植物を用いていろいろなリラクゼーション法や植物療法のセルフケア、セラピーを活用しましょう。

ストレスに関する問題があるときにも、内用、外用など様々な用い方でストレス状態からの回復促進に活用できます。

ストレスを受けた時に役立つハーブのご紹介

ストレスを受けたときには、強壮作用のあるハーブ、負担のかかる肝臓を強化するハーブ、疲労回復に役立つハーブなどをハーブティーとして取り入れると有効です。

・ミルクシスル・・・強肝ハーブの代表として知られます。
・アーティチョーク・・・苦味があり、肝機能の促進作用があります。
・ハイビスカス・・・植物酸やミネラルが豊富なため、疲労回復に有効です。
・ローズヒップ・・・ビタミンCが豊富なため、疲労回復に有効です。

このようにストレッサーに対する抵抗力の増強のために、心理療法的な知識や技法を身につけ、ある程度のストレッサーに対応できるようになることが重要です。

日々、植物に触れていると今感じているストレスも、そんなに大したことじゃないなーと、少し小さいことに感じることもあります。地球規模で俯瞰すると心が軽くなりますよ(^^)

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投稿者プロフィール

西野 清子
西野 清子ハーブ&ガーデンセラピーhanatrip 代表
これまでの経験をフルに生かして、
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