前回は施設での園芸療法導入時にやっておくべきことを書きました。園芸療法の目的をしっかり明らかにし、数名の園芸チームを組み、プログラムを進めていくと継続しやすいとご説明しました。
いざチームも揃い植物を植える場所の確保や、危険回避の策が取れたら次にすることとして、参加者を決め、アセスメントを取ります。
介護福祉分野におけるアセスメントとは、ご高齢者のニーズ、(解決すべき生活課題)や可能性を把握するために様々な情報を収集、分析することです。
園芸療法に参加していただく前のアセスメントの内容は以下のものをまとめて資料にしておくと良いでしょう。
・生年月日、性別
・病気や障害の状況
・職歴、学歴等
・興味や知識
・性格的なこと
・コミュニケーション能力等
・留意点
などです。
この様な資料をプログラム作成の出発点として参考にしますが、実際はプログラムの進行につれてその人なりがよく見えてくるので、その都度修正が必要です。
上記の項目も園芸療法を行う施設、組織、会社、団体によって違いが出てくるので、合ったものに変えても大丈夫です。
例えば下の写真の方は、以前園芸療法を行なっていた施設の利用者さんですが、パーキンソンをお持ちで、歩行も一人では困難、元大工の棟梁でいらっしゃり、手先も体も思うように動かなくなってきて、もどかしい思いをされ自信も喪失されていました。でも何かやれることはやりたいと思っていらっしゃいました。コミュニケーションはしっかり取れ、とても優しく皆さんに好かれるお人柄の方でした。
そんな元棟梁のこの方には、種取りなどの手先を使う園芸作業はもちろん、園芸療法で使う椅子や、器具の修理など、皆さんの縁の下の力持ち的な作業をお願いしました。
そうすると、本当に自分のしかできない仕事と、得意げに作業してくださいました。もちろんパーキンソンの方なので、補助をしながらですが、まだまだ自分は出来るんだという自信を回復され、毎回の園芸療法の時間を「今日は何があるかいの?」と楽しみにしてくださっていました。デイサービス行ったら仕事があると使命感ももっていただけたようです。
この様に、参加者の方の情報をしっかり把握し、資料としてまとめ、園芸療法の作業の中でもその方にあった作業を選んで差し上げるという事が大事になってきます。その上で、少しずつアセスメントの目標が達成され、参加者さんの心身の変化が見られてくると思います。
ぜひ参加者さんの情報を資料としてまとめておいてください(^^)プログラムが決めやすくなりますよ。
次回もこの続きの手順を書きたいと思います。
ではまた明日(^^)
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