今日は、昨日のブログの「園芸療法の導入について」の中のプログラムを作成していくところの続きをご説明したいと思います。
高齢者施設などで多く行われている園芸療法ですが、継続していくことがなかなか難しく、途中で活動が立ち消えていく事がよくあります。
最初は利用者さんのためと張り切って畑を作ったり、そこに野菜をたくさん植えたりするのですが、一期で終わってしまったりする事が多いようです。
この園芸療法頓挫現象は致し方ない部分があります。専門職ではない、介護職の方などが通常業務とは別でするのですから、ガッツリ園芸作業に時間が取れないのです。
最初は張り切ってみんなで植物の世話を持ち回りでするのですが、やがて皆さん普段の業務以外に時間的に難しくなってきて、頓挫してしまうということになるのです。
せっかく立ち上げた園芸療法ですので、以下のような手順を踏んでいただいて、長く活動を続けていただきたいと思います。
目次
園芸療法を始める前にまずやるべきこと
いきなり意気込んで畑を開墾する前に、まずは冷静にこの活動が続いていきそうかしっかり考えてみてください。
はっきり言いまして一人の力で園芸療法の植物を維持するのは到底無理です。毎日の介護業務の他に、プラスして園芸療法の業務ですから、数ヶ月で気力体力がパンクしてしまいます。
実際、私が施設で園芸療法を実践していた時は、一人で回していました。幸い気力体力はありすぎる程だったのですが、次の日のプロフラムの準備のためにサービス残業をしたり、休日なのに山にクラフトの材料や、経費を少しでも節約しようと、腐葉土を作るために落ち葉を集めに行ったりしていました。
こうして自分の時間を切り売りして、家事育児にも追われ、やがて精神的にかなりキツくなりました。そして体も壊してしまいました。一人で毎日園芸療法プログラムをを回していたので、体的に限界になってしまいました。全部自分でやろうとして助けを求められなかった自分の敗因です。やる気もあったし、とてもやりがいを感じていたのでとても悔しい思いをしました。
という経験があるので、園芸療法を始める前にはしっかり、施設内で園芸療法チームを作る事が大事です。施設の規模や、園芸療法の参加者にもよりますが、少なくても3人は欲しいです。
園芸療法チームのメンバーのシフトなどもあるので実働は2人で回すことになることも多いです。あと夏場の朝夕の水やりは思ったより時間もかかりますし、体力も奪われますので、メンバーが多ければ多いほど良いかと思います。
というふうにまずは園芸療法のチームを作ることです。と、同時にもう一つやるべき事があります。
施設に園芸療法を始める目的をしっかり伝える事
園芸療法導入のきっかけは、患者様やご家族様のために、施設側が導入したいとおっしゃる場合もあります。その場合は話が早いです。
施設側が園芸療法を始めると言われているので、施設全体に園芸療法導入の目的などがすぐに周知されます。施設中の方がすぐに理解をしてくれるところもとても助かります。そして職員さんが園芸療法にしっかり携われるように勤務時間内に時間を取ってくれたり、園芸療法チームを作るよう指令が出たり、予算もしっかり出してくれたりととてもスムーズに事が進みます。
これが施設職員さんからの園芸療法をしてはどうか?という始まりなら、立ち上げに少し苦労する事があります。
反対意見の職員さんもかなりいます
私の経験ですが、職員さんの中には、園芸療法が遊んでいる、という様に見える方もいらっしゃいます。
私も実際、「毎日楽しそうで良いわよねー」と皮肉を言われた事がなん度もありました。上司から言われたこともありました。この時は流石に頭にきて喧嘩しましたけど(笑)
この出来事に関しては、経営者の院長が園芸療法を施設全体で行いたいという意志が強かったにもかかわらず、新入社員の園芸療法士に立ち上げの全てを任せたのが原因だったと思います。つまり施設内の事業所に園芸療法を行う目的の周知が足りなかったのです。そりゃあ、新入社員が突然、事業所に現れて植物を植えだしたり、利用者さんをテラスに連れ出したりし始めては、現場のスタッフさんもアレルギー反応が出ると思います。
園芸療法って何!?と思われている職員さんもたくさんいたと思いますし、いらん仕事を増やしてくれるなオーラもバンバン出されました(笑)やるならアンタ一人でやってくれ、という事なんだと思います。
なので私一人で、園芸療法を事業所全体に周知させていくのはかなりの時間を要しました。
悔しい思いもしながら毎日毎日プログラムを続けていき、徐々に関わってくださる職員さんもたくさん出てきました。本当にありがたい思いでした。
園芸療法は一人で始めるのは本当に大変です。
介護職員さんからの提案で立ち上げる際に一番にする事
利用者さんに何かしてあげたいと、介護職員さんからの提案で園芸療法が始まることも多いです。
その時に園芸療法が頓挫してしまわないために、一番にして欲しい事があります。
施設側に園芸療法を行う目的をしっかり話し、理解を得て、園芸療法チームを組ませてもらう事です。何か事故などがあった時に困ることにもなります。そして業務時間内で、庭の手入れや、苗の買い物などをさせてもらえるようにしましょう。
ここは本当に大事です。業務外なんて論外です。
そして園芸療法が利用者さんにとってどんなメリットがあるのか、施設側にも外側へアピールとしてメリットがあることも伝えて導入させてもらいましょう。
そうすれば、予算もしっかり出してくれるということもあります。予算の少ない中で行う園芸療法プログラムは本当に時間と労力が裂かれて大変です。
これも園芸療法が頓挫する一因になりますので、うまく施設経営者、施設長にプレゼンできるよう頑張ってみてください。
しっかり目的を持ち、どうしたら継続できるか、その辺りもしっかり練ってからプレゼンしましょう。
もしわからないことや不安な事があればいつでもご相談くださいね(^^)
園芸療法を導入したい施設や法人、個人の方までご支援させていただきます。
まずは問い合わせフォームかインスタのDMよりご連絡ください。
ではまた明日です(^^)
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