hanatrip 園芸療法事業ヒストリー:高級造花の新たなチャレンジ

いつもブログをお読みいただき、
ありがとうございます。


今日は、
形を変えながら進んできた
私のお仕事の歴史を
お伝えしようと思います。


植物仕事30年の歴史の中には
さまざまな転機がありました。


しかし今思うと、
驚くことに全て「園芸療法の心」
として繋がっていました。


そのような私のヒストリーを
今日はここに記したいと思います。

第一章:原点 – 届けたかった、植物の癒やし

私の植物仕事のスタートは
20歳の頃に、地元の
大型園芸店に勤めたことから
始まりました。


当時、仕事に厳しい
「鬼」のような店長の元で
植物を販売するという
難しさを学びました。


そして同時に、
植物を販売し
お客様を喜ばせる楽しさも
教えていただきました。


これは、今思うと、
私の仕事の基礎となる
かけがいのないお仕事を
させていただきました。


店長には怒られた記憶しか
ありませんが、
本当に感謝の気持ちでおります。


そこから、植物を販売することが
本当に楽しくなり、
開店1時間前にはお店に出勤し、
植物の手入れをしていたくらい
花仕事が好きになりました。


「お客様を喜ばせたい」


私の植物物語はこのような
純粋な想いから始まりました。


そして結婚、出産を経て、
広島に移り住み
子ども二人を保育園に
預けたタイミングで
私は近くのデイサービスに
パートとして務めました。


そこで花屋の店員を
していたということから
デイサービスで
園芸担当を任命されました。


レクリエーションの時間に
利用者さんとプランターに
お花を植えていた時に


普段、あまりお話をされない方が
何故かお花を植える時は
たくさんお話しされるのです。


そしていつもと違う
穏やかな笑顔を見せられるのです。
このような方が何人もいらっしゃいました。


そこで
「人間と植物は何か深い関係性が
あるのではないか?」と
その関係性を深く知りたいと
思うようになったのと


「植物が持つ、人を癒やす力を
もっと深く、直接的に届けたい」
という想いが私を
「園芸療法士」という道へと
導きました。


土に触れ、種を蒔き
育てる喜びを分かち合う時間は
私自身にもかけがえのない
ものでした。

第二章:葛藤 – 想いを阻む「壁」

しかし、その想いが強くなるほど
私は一つの大きな「壁」に
直面します。


それは、病院や施設における
「生花の持ち込み禁止」という
あまりにも厳しい現実。


私も広島市の病床のある病院に
50件ほど電話をかけ、
「お見舞いのお花は
持って行ってもいいですか?」と
リサーチしました。


その結果7割の病院が
「生花の持ち込みはご遠慮願います」
との回答でした。


一番花の癒やしを必要としている
大切な人へその想いを届けられない。
この理不尽な状況は
私の心に深い問いを投げかけました。


「届けたいのに、届けられない」


その葛藤の中で、
私が見つけ出した一つの答えが、
「アーティフィシャルフラワー
(高級造花)」でした。


生花に負けない品質と
芸術性があれば
どんな環境の制約も越えて
私の想いを届けられるのではないか。


その信念から、2015年、
私のhanatripは生まれ、
「ウォールガーデン」という
新しいかたちが誕生したのです。

第三章:直面 – 時代というもう一つの「壁」

アーティフィシャルフラワーの事業は
多くの方にご支持いただきました。
そして3年前に私は
改めて原点に立ち返るべく
園芸療法の心を軸に、
事業を転換いたしました。


オンラインでは日本初の
園芸療法コーディネーターを
育成するスクールを始め、
全国からたくさんの生徒さんが
学びに来てくださいました。


そして今年の3月から、
十数年ぶりに園芸療法士として
介護の現場へ本格復帰しました。


正式には、施設のウリを作る
「園芸療法コンサルタント」
としてのお仕事でしたが、


そこで私を待っていたのは、
想像を絶する、
時代の大きな変化でした。


命の危険すら感じるほどの
夏の猛暑、深刻な人手不足…。


土と緑に触れる園芸療法を
これまでと同じ形で続けることが
もはや困難になっているという
動かしがたい事実。


「時代は、もう、
これまでのやり方だけでは、
人々の心に応えられない
のかもしれない」


それは、私の使命そのものが
問われる厳しい現実でした。

第四章:確信 – 私が本当に届けたいもの

その深い葛藤の中で
私は一つの「確信」にたどり着きます。


園芸療法の本質は、
土いじりや水やりという
「手段」にあるのではない。


それは、
「自分の手で美しいものを
創り出す喜び」であり


「誰かの心を動かすことで
生まれる生きがい」
そのものなのだと。


その本質を届けることこそが
私の使命。


ならば、
媒体が土に根差しているか、
人の手によって
生み出されたものかは
問題ではない、ということ。

第五章:再生 – 「壁の庭 hanatrip」の誕生

その瞬間、私の30年の経験が
一つの道として繋がりました。


「園芸療法士が、造花に命を吹き込む」


一見すると矛盾している
このコンセプトこそが
時代の課題に対する
私たちだけの答えなのだと。


生きた植物の知識を持つ
専門家だからこそ表現できる
生命感あふれるアートを、


私は「ウォールガーデン」と
名付けました。
そして、
この新しい信念を届けるための
新しいブランド
「壁の庭 hanatrip」が
今、ここに生まれました。


このお店には、
あなたの想いを形にする
二種類の「壁の庭」を
ご用意しています。

  • 空間のための「壁の庭」
    ホテルや寺社仏閣、店舗様の空間に、
    記憶に残るアートとしての彩りを。
    (花手水・壁面緑化)

  • 個人の心のための「壁の庭」
    大切な方へ、
    日々の生きがいという時間を贈る
    心に寄り添うセラピーを。
    (ウォールガーデンセラピー)


これは、園芸療法への
「さよなら」ではありません。


時代の変化に応えるための、
誠実な「進化」です。
私の新しい挑戦が、
皆様の日々の生きがいを作る
一助となれば幸いです。

投稿者プロフィール

西野 清子
西野 清子ハーブ&ガーデンセラピーhanatrip 代表
これまでの経験をフルに生かして、
子育て世代の女性を応援します!!