
こんにちは。
園芸療法士の西野清子です。
今日はこれからの
私の活動について、
そして、私がこの決断に
至るまでの長い道のりについて、
少しだけお話しさせてください。
今年より、10数年ぶりに
園芸療法士として本格的に
介護の現場に戻りました。

↑
職員さんが忙しく、なかなか私が利用者様と
園芸活動をしているところの写真が
ないのです( T_T)
しかしそこは、
私の情熱や理想だけでは
どうにもならない、
厳しい現実に直面する場所でした。
広島の夏は、
命の危険を感じるほどの
猛暑に見舞われます。
「さあ、お庭に出て、
土に触れましょう!」
そんな言葉がもはや
無責任に聞こえてしまうほどの暑さ。
屋外での活動は、
利用者様にとっても、
そして私たちスタッフにとっても、
大きなリスクを伴うものに
なっていました。
そして、もう一つ。
介護業界全体が抱える、
深刻な人手不足という問題。
現場のスタッフの方々は、
日々の目の前のケアで手一杯です。
そんな中で、
「施設の価値を高めるために、
新しいレクリエーションを」と
提案しても、その想いはなかなか
届きません。
これは10数年前の
私が最初に園芸療法士として
初めて勤務した施設でも
同じ状況がありました。
今やどこの施設でも
これは介護業界の問題として
同じ現象が起こると思います。
彼らにとって園芸療法の導入は
「また新しい仕事が増える」という
負担でしかなく
その溝は私が思う以上に
深いものでした。
私の母校の園芸療法学科も
その役目を終えました。
大好きだったはずのこの仕事が
時代の大きな変化の中で
少しずつその輝きを失っていく。
「このままでは、終わる…」
そんな無力感や焦りが
私の中にずっとありました。
ですが、ある日ふと気づいたのです。
私が本当に届けたかったものは、
何だったのだろうか、と。
園芸療法の本質は、
土いじりや水やりという
「手段」にあるのではない。
それは
「自分の手で美しいものを
創り出す喜び」
であり
「誰かの心を動かすことで
生まれる生きがい」
そのものなのだと。
その本質を、どんな環境でも、
誰にでも届けたい。
その想いが、私が長年培ってきた
「高級造花のプロ」としての技術と
結びついた瞬間でした。
これは私が辿り着いた
園芸療法の新しい「答え」です。
園芸療法のこころを受け継ぐ新しいプロダクト
これからは、以下の二つの事業を柱に
私の植物仕事30年の経験
全てを注ぎ込みます。
🌿一つは、
『花手水』という
空間そのものを癒やすアートの力
これは、
私が起業当初から手掛けてきた、
独自の手法で制作する壁面緑化
『ウォールガーデン』から
生まれました。
生花の持ち込みが難しい場所や病院、
様々な理由で植物が育てられない方、
手入れが困難な神社仏閣のために、
「常に美しい状態で、
そばに来られる方や
訪れる人の心を癒やしたい」
という想いを形にしたものです。


今では、全国の神社仏閣、大手企業、
有名ホテルや、官公庁などからも
お声がけいただくほど、
その価値を認めていただける
ようになりました。
これは空間を彩り、穏やかな感動
安らぎをもたらす、
私のアーティストとしての一面です。
弊店、花手水サイトはこちらから
↓
https://gardenkiyo.com/hanachozu/
🎁そして、もう一つが
『ウォールガーデンセラピー』
という心に届けるギフトの力
これは私の園芸療法士としての
集大成です。
介護の現場にいるとご家族さんに
お会いすることもよくあります。
高齢の親をもつ娘さんの
「もっと何かしてあげたい」
という切実な願いを
直接お聞きすることは
ほとんどありませんが、
私も高齢の母がいますし
娘なら高齢の母に
そのような気持ちを抱くのは
当然のことです。
でも日常生活や仕事などで忙しく、
何もしてあげられない自分に
思案することもしばしばです。
そして、高齢者ご本人が
「お世話されるだけの存在」ではなく、
再び人のために何か「ありがとう」と
言われることができたり、
役割と生きがいを提供したい。
その想いを、
安全で誰にでも楽しめる
美しいキットに詰め込みます。

これは一人ひとりの心に
深く寄り添うセラピストとしての
一面です。
これらは決して
バラバラの事業ではありません。
厳しい現実の中で、
それでも「植物の癒やしを届けたい」
と願う、私の心の奥底から生まれた
二つで一つの答えなのです。
これは、園芸療法への
「さよなら」ではないのです。
厳しい現実の中で見つけた
新しい「希望」のはじまりです。
私の魂の中には
いつも植物を用いる園芸療法が
あります。
ですが、現状に合わせて
今求められていることを
仕事にしていかなければ
人々を楽しませることはできません。
植物の癒しのパワーに勝るものは
ありません。
だからこそ、植物も適材適所で
時代にあった園芸療法サービスを
作り続けないといけないのです。
私は皆さんに笑顔になって
いただきたいのです。
それだけです。
ぜひ、今後も見守っていただけますと
幸いです。
お読みいただき、
ありがとうございました。
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